STOP AIDS～正しいコンドームの知識と選び方～
ご存知でしょうか? 毎年12月1日は世界AIDSデーです。
年々認知度は上がってきていますが、まだまだご存知ない方も多いのではないでしょうか。
1988年に世界保健機関(WHO)より提唱された世界AIDSデーですが、 昨今では日本でも、趣旨に賛同し様々な啓発活動やイベントが実施されています。
今回はAIDSデーを広めるだけでなく、様々な角度からコンドームを紹介することで、正しいコンドームの知識と使い方を身につけていただき、あなたに合う、ぴったりなコンドーム探しに役立つことができれば、と思います。
コンドームの歴史
コンドームの歴史には諸説ありますが、最初は現在のように避妊具としてではなく、熱帯病や昆虫の咬刺からペニスを守る保護具やセックス時の小道具として用いられていたようです。
紀元前3000年頃がコンドームの起源とされ、当時は動物(ヤギ、ブタ)の盲腸、膀胱が使用されていたようです。
その後、16世紀の中頃にはイタリアの解剖学者が「梅毒の予防にリネンで作った亀頭覆いを用いた」という記述が残されており、これがコンドームの始まりとする説もあります。
また、17世紀にはイギリスの医師が魚の浮き袋でペニスを覆うことを発案。
この医師の名前がコンドームの名前の起源とされています。
本格的に避妊具、性感染症予防具としてコンドームが認識されたのは、1874年(明治7年)と言われており、そこから現在のコンドームに至るまで進化を続けてきたと言われています。
コンドームの使用率
世界に10億個を超えるコンドームを輸出しているといわれるコンドーム大国の日本ですが、日本人のコンドーム使用率は世界ワースト3位の数字にあたる42%といわれています。
使用率の高い国はインドで、80%がコンドームを使用しているといわれています。
日本の使用率は約半分ということになります。
これは日本人がエイズ感染などの性感染症への危機感が海外に比べ低いことと無関係ではありません。
エイズなどの性感染症への認識を正しく持ち、コンドームの使用率を高め、性感染症予防をさらに広めていくことが、これからの日本において大事なことであるといえるでしょう。
コンドームの役割
コンドームの役割といえば、まず真っ先に思い浮かぶのは、「避妊」でしょう。
しかしながら、コンドームの役割は「避妊」だけにはとどまりません。
「性感染症」を防ぐのも、コンドームの大きな役割であり、「避妊」と「性感染症予防」をしっかりできるよう、装着方法などをしっかりと把握しておく必要性があります。
上述したように日本は性感染症への危機意識が低いと言われているので、コンドームに対する正しい知識を持つことは非常に重要であるといえるでしょう。
コンドームの正しい使い方と装着方法
コンドームでの避妊率は100%ではありません。
正しい使い方でも失敗率は一般的な使用では約12%といわれています。
しかしながら正しい使い方をすれば避妊率はかなり高いといえます。
コンドームは挿入する前、ペニスが十分に勃起してから装着します。
では、正しい装着方法を順に説明します。
1. 先端の精液だまりを軽くひねり、空気を抜きます。
2. ペニスの亀頭部分から被せます。
3. コンドームの巻いてある部分をペニス根元におろしていきます。
4. ペニスの根元部分までしっかりと包みます。
コンドームはとても薄いゴムなので、装着時は乱暴に扱ったり、爪で傷つけないように注意しましょう。
表面が傷つくと失敗の原因となります。
射精後はすぐに、コンドームを装着したままペニスを膣から出しましょう。
射精後ペニスが小さくなり、精液が漏れ出したり、膣内にコンドームが残る可能性があるためです。
コンドームの保存
あまり気にされている方はいないかもしれませんが、コンドームには消費期限があります。
ゴムなので、長期間保存すると劣化していくためです。
一般的にはラテックス製は5年、ポリウレタン製は10年となっています。
箱に記載された期限を過ぎたものは使用しないことを推奨します。
コンドームの素材
一般的にはラテックス製とポリウレタン製の2種類となります。
ラテックスはいわゆる天然ゴムで最もオーソドックスなコンドームの素材といえるでしょう。
伸縮性に優れていますが、ラテックスアレルギーというゴム製品アレルギーの方もいるようです。
対してポリウレタンは人工血管など医療関係でも使用されている素材で、冷えると固くなり、温めると柔らかくなる特性を持っており、伸縮性に欠けるものの、丈夫で薄く、熱伝導率がラテックス製より7倍も高いのが特徴です。
また、ラテックスアレルギーの方も安心してご使用いただけます。
最近ではイソプレンラバーという、こちらも医療用機器にも使用される素材のコンドームも発売されました。
薄さではポリウレタンに軍配が上がりますが、ラテックスアレルギーフリーで、ポリウレタンよりも柔らかく、より人肌に近い感触で好評です。
素材別コンドーム
コンドームのサイズ
まずはコンドームを選ぶ際、重要になるのはサイズ選びです。
一般的にはS、M、L、LLサイズとありますが、注意しなくてはいけないのが、メーカーによってサイズ基準が異なることです。
ここでは直径で紹介しますが、ラテックスとポリウレタンではラテックスのほうが伸縮するので、ラテックス製コンドームの場合はペニスの外周直径よりも2～3cm短いもののほうがフィットするようです。
サイズの異なるコンドームを選ぶと、精液が漏れ出たりする可能性が大きくなるため、避妊成功率も異なってきます。
相模ゴム工業
オカモト
不二ラテックス
ジェクス
中西ゴム
コンドームの薄さ
ラテックス製のコンドームは薄さを追求することで、耐久性が低くなる懸念があり、限界がありますが、ポリウレタンは薄くて丈夫なため、薄さという面においては現在のところ、ポリウレタン1強であるといえます。
さらにポリウレタンは熱伝導も良いため、薄さを追求することで、男性の快感度が上がるだけでなく、女性も温もりを感じられる、と好評です。
コンドームの種類
早漏を防止する厚めや、温感ゼリー配合、メントール配合、性交痛解消に一役買うたっぷりゼリーなど、さらには女性向けや味付きなど、コンドームの種類は様々です。
前述した素材やサイズ、薄さだけでなく、どのような効果を求めるのか、から使用するコンドームを決めるのもアリです。
