バイブコレクター桃子の大人のおもちゃレポ 「LELO SORAYA2」

映画『パラサイト 半地下の家族』はご覧になりましたか? 私は映画には疎い人なのですが、『殺人の追憶』に衝撃を受けてから、ポン・ジュノ監督の作品は欠かさず見ているようにしています。今回もNetflixでひと通り同監督の作品を見直し、予習バッチリの状態で映画館へ。
期待値が高すぎて、それに及ばなかったらどうしよう……という私のちんけな懸念を一瞬にして振り払ってくれました。さすがポン・ジュノ! ありがとう! と叫びたくなりました。

さ、期待値が高いといえばこのバイブです。

LELO SORAYAは、(私の中の)殿堂入りバイブのなかでもトップに君臨する逸品です。
いわずと知れた、スウェーデン発の最高級ラブグッズブランド「LELO」。
私がバイブをコレクションした当時、すでに初代SORAYAは販売されていました。

お値段が2万円近くもするのでおいそれとは買えず、「いつか、絶対に、買う!」と憧れの目で見ていたものでした。
その「2」が販売されたのです。これはもう、ちょっとした事件です!

オブジェのような美しさは健在……というより「1」とほとんど変わっていませんね。
実は今冬、LELOはこの「SORAYA」だけでなく「ORA」と「SONA」も後継機を発表しました。
それが、どれも初期モデルと形がほとんど変わらない。
多くのブランドでは、人気が出たアイテムはマイナーチェンジをして後継機を出したり、シリーズ化してデザインにバリエーションを持たせたりするのが常ですが、LELOは見た目だけでは「1なの、2なの?」とわからないものを出してくる……。

想像するに「初期モデルが、すでに完成形である」ということなのでしょう。
もちろん機能が追加されたり、ブラッシュアップする余地はあるのですが、フォルムはもうパーフェクト。
だから変える必要はないよ、という自負の表れだと私は受け取りました。

「2」のお値段は、なんと3万円超え!(2020年2月現在)
これはほんと、気軽に手を出せる金額ではないですよね。
バイブレーターの世界も価格の幅が本当に広いのはみなさんご存知のとおりですが、これは最もお高いもののひとつ。

でも高いものには高い理由がある、と私は思います。安いものには安い理由がある、のです。
たまに、思いもかけない掘り出しものもありますし、感じ方は人それぞれなので良し悪しを単純に決められないところもありますが、品質についてはだいたいは価格と比例すると思っていいです。

LELOは見た目の高級感ばかりに目がいきがちですが、それだけで殿堂入りするほどバイブの世界は甘くありません。
ただ素敵なバイブを作ろうとしたのでなく、使いやすさや機能も考えたうえでこのデザインに行き着いたのだということがわかります。

「1」をはじめて使った当初、持ち手が輪っかになったバイブってほとんどなかったと記憶しています。
だからこそ「こんなに操作しやすいなんて!」と衝撃を受けたのですよ。
細かい角度や深さの調整が本当にしやすい。
私は輪っかタイプが大好きですが、それは最初に出合ったのがこのLELOだったからでしょう。

クリバイブは挿入時、いかにフィットするかが大事ですよね。
「中は気持ちいいんだけど、クリバイブはなんかズレていていまいち……」となってしまうと、満足度も著しく下がります。
ということで、サオ部分とクリバイブの角度が37度→27度に変更されたそうです。
たった8度、目で見てもわからないくらいですが、実際使ったらわかるかな?

もちろんモノによるのですが、私はストレートタイプのバイブよりも、クリバイブ好きのバイブ(ラビットタイプともいわれる)が好きです。
中と外、同時に気持ちいいって、もうそれだけで最高じゃないですか。
でも悩ましいときもあります、それは快感が分散してしまうとき。
中も外もそこそこ気持ちいい、でもなんとなくイケない……なぜならどちらにも集中できず、中途半端だからです。
それを解決してくれる技術が、「LELO SORAYA」にはあります。

濡れ具合が足りないとき、挿入はつらいものですが、このくらいスルスルと肌触りのなめらかな素材だと事情は違います。
ちょっとの潤いで、すごく滑りがよくなる!
でも、気をつけてほしいのは、SORAYAのサオは円柱形ではなく、楕円中形。
縦に少し押しつぶされたような形になっているという点です。
慣れないうちは、「挿れにくいかも?」と思うことがあるかもしれません。
そんなときは、潤滑剤をほんのちょびっと。
水溶性で伸びがいいものがいいですね。

遅いわ～、私。LELOのコントローラーは基本ボタンが3つ並んでいる……のは知っているのに、このマークに気づいたのが今って遅すぎるわ～。
このコントローラー部分は、LELO全体で共通しているので、慣れている人ならすぐに使えるのもいいですね。

さて。「SORAYA」は、その振動がもう“匠”の域です。ほかでは見られない、むちゃくちゃ高度な感じ。

上の動画でも、うまく説明しきれていないと思うんだけど、振動が先端から根元に向かって移動していくように感じるのです。
そしてそのまま、クリバイブへと抜けていく……。これ、めちゃくちゃスゴイことです!!!

実際どう感じるかというと、膣の奥のほうから入口に向けて振動が駆け抜けて、そのままクリバイブへと移動するんです。
そしてクリトリスに振動刺激を送ったかと思ったら、膣の奥にあたる部分が振動をはじめ……の繰り返し。

しかも、その振動が究極に“上質感”があるということは、声を大にしてみなさんにお知らせしたいんです。
振動が上質、ってヘンかもしれませんが、スイッチを入れた途端「他とは違うぞ!」感があるのです。
それだけモーターが高性能なのでしょう。
低音の金管楽器の振動が骨に伝わってくるような感覚で、振動が下半身に広がるのです。

車でも、まるで路上を滑るように走るものと、なんだかずーっと細かく揺さぶられているように感じるものがありますよね。
そういう違いなんです。

そこに加えて、寄せては返す波のような動き。
中の気持ちよさと、クリトリスの気持ちよさが交互に訪れ、「中、いい……」「ああっ、でもクリトリスも!!」と、頭の中がそれだけで埋め尽くされます。
忙しいようですが、中は中、外は外でしっかり感じさせてくれるので、幸福な忙しさだといえます。

イクのもいいけど、ずーっとその快感のるつぼに浸っていたい。
そう思わせてくれます。

「2」へのリニューアルに際して改良されたという、クリバイブの角度もばっちりです。
計算され尽くしたフィット感ですね。
わずか8度、しかし快感の度合いを大幅にアップしてくれる8度なのだと実感しました。

たしかにLELOはバイブ界きっての高級品。
でも、そのお値段は伊達じゃない、期待を裏切ることは絶対にないと断言できます。